ライフラインが止まったときの食と水の確保法|電気・水道がなくても生き延びる知恵
地震や台風、豪雨などの自然災害によって、突然「電気」「水道」「ガス」といったライフラインが止まる――。
この状況は決して珍しいことではなく、**誰の身にも起こり得る“日常の崩壊”**です。
- 電気が止まって冷蔵庫が使えない
- 水道が止まり、手洗いやトイレもできない
- ガスが止まって、お湯も沸かせない
こんな状況でも命をつなぐ食と水をどう確保するかが、在宅避難でも避難所でも生き延びるための鍵となります。
本記事では、停電・断水時に役立つ知識・備蓄・工夫を徹底的に解説。
被災経験者の声や実際に使えるグッズ情報も織り交ぜながら、今すぐ実践できる生存戦略をお届けします。

<この記事を書いた人>
シャア
学生時代から防災や災害対策に強い関心を持ち、20年以上にわたり情報を収集・整理。防災訓練のボランティア経験や、災害時の避難準備を日常的に実践してきた「防災オタク」。最新の防災グッズや自治体の防災計画まで幅広く研究し、実生活に役立つ防災知識をわかりやすく伝えています。
ライフライン停止はいつでも起こる現実
日本では、災害時にライフラインの停止が長期間に及ぶ例が多々あります。
| 災害 | 地域 | ライフライン停止状況 |
|---|---|---|
| 阪神淡路大震災(1995) | 兵庫県全域 | 電気:7日、ガス:3ヶ月、水道:1ヶ月超 |
| 東日本大震災(2011) | 東北各県 | 停電:840万世帯、水道停止:250万世帯 |
| 熊本地震(2016) | 熊本市など | 水道・ガス:1週間以上停止、断水率60% |
| 台風15号(2019) | 千葉県 | 停電:最大64万戸、復旧に12日以上 |
【水】の確保法|命に直結する最重要インフラ
● 1日に必要な水の量は?
- 飲料水:1人あたり1日2~3リットル
- 生活用水(洗顔・トイレ等):1人あたり10〜15リットル
⇒ 家族3人×3日分=最低約100リットル必要!
● 飲料水の備蓄方法とおすすめ製品
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 2L保存水の備蓄(5年保存タイプ) | 長期保存に最適。災害用水として専用保管推奨 |
| 軟水のミネラルウォーター | 日常使い&ローリングストック向き |
| 水タンク(ポリタンク型) | 給水車や雨水の一時保管に便利 |
| 非常用浄水器 | 雨水や川の水をろ過して飲用可 |
● 水の調達先(断水時)
- 自治体の給水所(地域防災マップで確認)
- 公園や学校の防火水槽(一部は生活用水として活用可)
- 雨水の利用(バケツ+ろ過シートなどで代用)
【食事】の確保|調理できなくても生き延びる
● 調理不要で食べられる食品が鍵
| 食品 | 特徴 |
|---|---|
| レトルトご飯・カレー | 温め不要でも食べられる製品が◎ |
| 缶詰(魚・肉・野菜) | 常温保存・栄養バランスの確保 |
| シリアル・クラッカー・乾パン | 保存性高くエネルギー源に最適 |
| 栄養ゼリー・ビスケット | 高齢者・子どもでも食べやすい |
| フリーズドライ食品 | お湯があれば温かい食事も可(湯なし可製品もあり) |
● おすすめの備蓄方法
- ローリングストック法:普段使う食品を“少し多め”に買っておく
- 賞味期限が近づいたら日常の食事で消費し、補充
- アレルギー対応・乳児用・高齢者用食品も考慮
加熱できないときの食事工夫|“火なし”でもできる3つの知恵
災害時はガスも電気も使えない前提で、「火を使わずに食べられる」食品を中心に備えることが重要です。
● 温め不要で食べられる非常食の例
- おかゆパウチ(常温対応)
- レトルトのミートボール・ハンバーグ
- 鯖・ツナ・焼き鳥缶(スプーン1本でそのまま食べられる)
- 粉末味噌汁+水 → 冷やし味噌汁
- インスタントスープ+常温水 → 時間を置いて戻す技も
● 暖かいものが欲しいときの選択肢
- カセットコンロ+ボンベ(最低6本)
- 固形燃料+メスティン(火が小さくて安全)
- 発熱剤つき非常食(例:ヒートパック式)
冷蔵庫・冷凍庫は「保冷庫」として使う
停電時、冷蔵庫・冷凍庫の開け閉めは極力避けるのが基本です。
● 冷蔵庫の目安
- 冷蔵室:4時間程度保冷可能(未開封の場合)
- 冷凍庫:48時間程度保冷可能(中身が多いほど長持ち)
● 停電後の工夫
| 工夫 | 内容 |
|---|---|
| 開閉を最小限に | 中の物をリストアップして外に貼ると◎ |
| 保冷剤・凍らせたペットボトルを活用 | 食品の保存時間を延長できる |
| クーラーボックスへの避難 | 冷気を逃さず、持ち運びも容易 |
備えておきたい「食と水」まわりのグッズ一覧
| カテゴリ | グッズ名 | 備考 |
|---|---|---|
| 調理器具 | カセットコンロ・ボンベ・固形燃料・メスティン | 火元が1つでもあると調理可 |
| 食器類 | 紙皿・割り箸・ラップ・使い捨てスプーン | 洗い物を減らす工夫に最適 |
| 水処理 | 給水バッグ・ポリタンク・ろ過器・消毒剤 | 雨水や井戸水の活用にも |
| 保存用品 | ジップロック・真空パック袋・保存容器 | 食品ロスを防ぐために便利 |
| 備蓄収納 | スタッキング収納・非常用コンテナ | 家族分まとめておける形が理想 |
被災者の声に学ぶ「備えて助かったもの」「足りなかったもの」
● 東日本大震災(2011)・宮城県・50代男性
「水道が止まった3日間、風呂の残り湯をトイレに流すのに使った。ポリタンクとバケツが大活躍だった」
● 熊本地震(2016)・40代主婦
「カセットコンロが本当に神だった。温かい味噌汁を飲んだとき、涙が出るほどうれしかった」
● 台風15号(2019)・千葉県・30代女性
「冷蔵庫の中身が全部ダメになった。開ける前に保冷剤を入れておけばよかった…」
まとめ|“明日は我が身”に備える。今日から始める食と水の準備
ライフラインが止まると、普段「当たり前にできていたこと」が何もできなくなります。
- 水は、命を守る最優先の備え
- 食事は、温かさと安心を届ける生存戦略
- 調理・保存・衛生も含めた「食まわりの環境整備」が重要
ポイントは、特別な準備ではなく、日常の延長でできる備えを積み重ねること。
「非常時にどう食べるか」ではなく、「非常時にも食べられる日常をつくる」
この視点をもって、今日から少しずつ準備を進めていきましょう。