空き家の3,000万円特別控除ガイド:要件・期限・控除額を国税庁の情報から整理

gonzo
ごんぞう
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相続した実家を売ろうか迷っているとき、気になるのが税金のこと!実は最大3,000万円も控除できる特例があるんです。計算のしくみから他の特例との関係まで、国税庁の情報をもとにじっくり整理していきますね!

相続した実家(空き家)を売ろうか迷っているとき、気になるのが税金のことではないでしょうか。実は一定の要件を満たすと、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります!この記事では、対象となる家屋の要件・期限・控除額の計算方法から、似た制度との違いまで、国税庁の公表情報をもとに整理しました。自分のケースが対象になるかどうかの判断は、税理士等の専門家にご確認くださいね。

作成日:2026-08-11
更新日:2026-09-10

そもそも「譲渡所得」とは?

不動産を売って利益が出ると、その利益(譲渡所得)に対して所得税・住民税がかかります。譲渡所得は、ざっくり次の式で計算されます。

譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除

「取得費」は購入時の価格(建物は減価償却後)、「譲渡費用」は仲介手数料など売却にかかった費用です。今回ご紹介する3,000万円特別控除は、この式の「特別控除」の部分にあたる制度で、要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける、つまりその分税金がかからなくなる、という仕組みです。

制度の概要

この特例は「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」と呼ばれ、空き家が増えすぎないようにする目的で作られました。相続または遺贈で被相続人の居住用家屋とその敷地を取得した人が、一定の要件を満たして売却すると、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です!

特例なし 譲渡所得の全額に 課税 特例 適用 特例あり 譲渡所得から 最高3,000万円控除 →残りの部分に課税 要件を満たすかどうかは次の項目で確認します

図:特例の有無による課税対象の違い(イメージ)

出典:国税庁 No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm

対象となる家屋の要件

特例の対象になる「被相続人居住用家屋」は、次の3つをすべて満たすものとされています。

  1. 昭和56年5月31日以前に建築されたこと
  2. 区分所有建物登記がされていないこと(分譲マンション等は対象外)
  3. 相続開始の直前に被相続人以外に住んでいた人がいなかったこと

出典:国税庁 No.3306

適用期間と譲渡期限(2つの期限に注意)

この特例には、性質の違う2つの期限があるので、少しややこしいポイントです!

制度自体の適用期間

平成28年4月1日から令和9年(2027年)12月31日までの間に売ることが、制度の対象期間として定められています。

個々のケースでの譲渡期限

制度の適用期間内であっても、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが必須の条件です。つまり、いつ相続が発生したかによって、自分の期限がいつなのかが決まる仕組みになっています。

ここが間違えやすいので注意!

「制度が令和9年まで続くなら、まだまだ余裕がある」と思ってしまいがちですが、実際は自分の相続発生日から数えた期限のほうが先に来ることがほとんどです!「制度の期限」と「自分の期限」は別物、と覚えておくと安心ですよ。

出典:国税庁 No.3306

売却時に必要な条件(耐震基準または取り壊し)

売却する際は、次のどちらかを満たす必要があるとされています。

  • 家屋が一定の耐震基準を満たしていること
  • 家屋を取り壊したあと、敷地だけを売却すること

なお、令和6年1月1日以後の譲渡については、買主が売買契約に基づいて取得したあとに除却や耐震改修を行った場合も特例の対象になるよう見直されています(これまでは売主が引き渡し前に耐震改修や取り壊しをする必要がありました)。

出典:国税庁 No.3306

控除額と計算のイメージ

控除額は原則として最高3,000万円です。ただし、令和6年1月1日以後に行う譲渡で、被相続人居住用家屋および敷地を相続または遺贈で取得した相続人の数が3人以上の場合は、1人あたり最高2,000万円までの控除になります。

たとえば、譲渡所得(売却価格から取得費・譲渡費用を引いた額)が2,500万円だったケースで考えてみます。相続人が1人であれば3,000万円まで控除できるため、譲渡所得2,500万円が全額控除の範囲内におさまり、この部分の税金はかからない計算になります。相続人が3人の場合は1人あたり2,000万円が上限になるので、按分方法によっては控除しきれない部分が残ることもあります。具体的な金額は税理士等にご確認ください。

出典:国税庁 No.3306

似た制度「取得費加算の特例」との違い

相続不動産の売却に関しては、この3,000万円特別控除のほかに「取得費加算の特例」という別の制度もあります。名前が似ていて混同しやすいので整理しておきます。

項目空き家の3,000万円特別控除取得費加算の特例
内容譲渡所得から最大3,000万円を差し引く払った相続税の一部を取得費に加算する
期限相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで相続開始から3年10か月以内
相続税の申告不要相続税を実際に納めていることが前提
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この2つの特例は原則として併用できません!ただし、同じ年に複数の不動産を売った場合や、1つの建物の中に居住用部分とそれ以外の部分がある場合など、例外的に組み合わせられるケースもあるとされています。どちらが有利かはケースバイケースなので、税理士に試算してもらうのが確実ですよ。

その他の主な要件

  • 売却代金が1億円以下であること
  • 親子や夫婦など「特別の関係がある人」への売却は対象外
  • 他の特例(居住用財産の3,000万円特別控除等)との重複適用はできない
  • 同一の被相続人から相続した家屋について、すでにこの特例を使っている場合は再度の適用はできない

出典:国税庁 No.3306

よくある質問

Q. 確定申告は必要ですか?

この特例の適用を受けるには、譲渡した年の翌年に確定申告をする必要があるとされています。控除の結果、税額が0円になる場合でも申告自体は必要です。必要書類等の詳細は税理士等にご確認ください。

Q. 空き家バンクで売却した場合も対象になりますか?

売却の方法(空き家バンク経由か、通常の不動産仲介か)自体は要件として明記されていません。家屋の要件や譲渡対価の上限など、他の要件を満たしていれば対象になり得ると考えられますが、個別の判断は税理士等にご確認ください。空き家バンクの仕組みについては、空き家バンクの使い方ガイドもあわせてご覧ください。

まとめ

項目内容
制度の適用期間平成28年4月1日〜令和9年12月31日の売却
個別の譲渡期限相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
対象家屋昭和56年5月31日以前建築、区分所有登記なし、相続直前に被相続人のみ居住
売却時の条件耐震基準を満たす、または取り壊して更地にする
控除額(原則)最高3,000万円
控除額(相続人3人以上、令和6年1月1日以後の譲渡)1人あたり最高2,000万円
譲渡対価の上限1億円以下
取得費加算の特例との併用原則不可(一部例外あり)

売却ではなく空き家として活用する道を探している場合は、空き家バンクの使い方ガイドも参考にしてください。

確定申告に必要な主な書類

この特例を使うには、譲渡した年の翌年に確定申告が必要です。一般的には次のような書類が必要とされています。

  • 被相続人居住用家屋等確認書(自治体が発行)
  • 売買契約書の写し
  • 登記事項証明書
  • 耐震基準に適合することを証明する書類(取り壊さず耐震改修する場合)
  • 確定申告書、譲渡所得の内訳書

「被相続人居住用家屋等確認書」は、物件所在地の市区町村役場で発行してもらう書類で、この特例特有のものです。取得に時間がかかることもあるため、早めの準備が安心とされています。必要書類の詳細は税理士等にご確認ください。

よくある質問(続き)

Q. 売却して赤字(譲渡損失)が出た場合はどうなりますか?

譲渡所得がマイナス(譲渡損失)になった場合は、そもそも課税対象となる利益が発生していないため、この特別控除を使うまでもなく税負担は生じない、という整理になります。他の所得との損益通算ができるかどうかは別の制度の話になるため、詳細は税理士等にご確認ください。

Q. 建物を取り壊さずに耐震改修する場合、費用はどれくらいかかりますか?

耐震改修の費用は建物の状態や工法によって幅があり、一律の相場を示すことは難しいとされています。取り壊して更地にする場合との費用比較も含めて、リフォーム会社や建築士に見積もりを取って検討するのが確実です。


出典

  1. 国税庁 No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm(ページ更新日:令和7年4月1日現在)
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