健康と衛生

歯ぎしり・食いしばりの原因と対策|睡眠中にできるセルフケア方法

yonemura

「朝起きたら顎が痛い」「寝ている間に歯ぎしりしてると指摘された」——
そんな経験はありませんか?

実は、睡眠中の歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)は、日本人の約15〜20%が無自覚にしているといわれています【出典①】。
放置すると歯や顎だけでなく、睡眠の質や全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。

この記事では、歯ぎしり・食いしばりの原因とそのリスク、そして自宅でできるセルフケアや医療的な対策方法を詳しく解説します。

<この記事を書いた人>
モルモル

サプリメントや健康食品の企画・開発に15年以上携わってきた健康スペシャリスト。最新の栄養学やヘルスケア情報に精通し、科学的根拠に基づいた正確な知識をわかりやすく紹介している。流行や噂に流されず、エビデンス重視のアプローチがモルモル流。誰でも無理なく続けられる健康習慣やセルフケア法を提案している。


歯ぎしり・食いしばりとは?

▶ 用語の定義

  • 歯ぎしり(グラインディング)
     上下の歯をギリギリとこすり合わせる動作。
     睡眠中に多く見られ、音が出るのが特徴。
  • 食いしばり(クレンチング)
     上下の歯を強く噛みしめる動作。
     日中・睡眠中どちらにも発生しやすい。
  • タッピング
     カチカチと歯を打ち鳴らす動作。比較的まれ。

こんな症状があれば要注意!

自覚症状起きていること
朝起きると顎がだるい・痛い顎関節や咬筋に負担がかかっている
歯がすり減ってきた歯のエナメル質が摩耗している
詰め物が取れやすい・割れやすい強い噛みしめ力が影響している
肩こり・頭痛が慢性化筋肉の緊張が広範囲に波及している
家族に歯ぎしりを指摘される睡眠中に無意識に行っている

歯ぎしり・食いしばりの原因とは?

① ストレス・精神的緊張

最大の原因といわれているのがストレスや不安です。
脳が緊張状態のまま眠りにつくと、睡眠中にも筋肉が過活動になりやすいです。

② 噛み合わせや歯並びの問題

歯列がずれていると、一部の歯に負担が集中しやすく、無意識にバランスを取ろうとして歯ぎしりが起こることがあります。

③ 睡眠の質の低下

深い眠り(ノンレム睡眠)に入れないことで、交感神経が優位な状態が続き、歯ぎしりが誘発されるとする研究もあります。

④ 習慣・クセ(行動習慣)

  • 長時間のスマホ操作
  • 無意識の顎の緊張
  • 日中の無意識の噛みしめ癖(TCH=Tooth Contacting Habit)

歯ぎしりを放置するとどうなる?6つのリスク

リスク内容
歯の摩耗・破折エナメル質が削れて虫歯・知覚過敏のリスク増
詰め物・被せ物の損傷歯科治療の耐久性が下がる
顎関節症開口障害、痛み、音などの症状が出る
顔の歪み顎周りの筋肉が過発達し、左右差が出やすい
睡眠障害交感神経の活性で睡眠の質が悪化
慢性的な肩こり・頭痛首〜肩にかけての筋肉が緊張する

自宅でできるセルフケア対策法

① ナイトガード(マウスピース)の使用

歯科医院での作成がおすすめですが、市販のものでも一定の効果が期待できます。

種類特徴
歯科用カスタムタイプフィット感・耐久性◎/保険適用可能(3,000〜6,000円程度)
市販のシリコンタイプ手軽だが長期使用には向かない/毎日の洗浄が必須

② 就寝前のリラックス習慣

  • ぬるめの入浴(38〜40℃)で副交感神経を優位に
  • 軽いストレッチや呼吸法で全身の力を抜く
  • スマホ・PCは就寝1時間前には使用をやめる

③ 咬筋マッサージ・ストレッチ

  • 頬骨の下から顎にかけて円を描くようにやさしくマッサージ
  • 顎を左右にゆっくり動かし、筋肉の緊張を解放

④ 「噛みしめ注意」メモを貼る

日中の噛みしめ癖(TCH)は、**「上下の歯は常に少し離れているのが正常」**という意識づけが重要。
PCやスマホ、鏡に「歯と歯を離す」のメモを貼るのも効果的。


医療機関での治療|受診すべき症状と治療法

歯科でできること

  • 噛み合わせの調整(咬合調整)
  • ナイトガードの処方
  • ボツリヌス注射による咬筋のリラクゼーション治療(自由診療)

心療内科や睡眠外来の選択も

  • ストレス起因が強い場合、精神的なケアや睡眠障害の評価が必要になるケースも

歯ぎしり・食いしばりに効果的な補助アイテム

アイテム使い方・効果注意点
マウスピース(ナイトガード)歯の接触を物理的に防ぐ定期的な洗浄と交換が必要
あごサポーター睡眠時に装着して動きを制限就寝中の違和感がある人も
咬筋リラックスシール日中のTCH防止に貼る意識づけアイテムあくまで習慣改善の補助
リラックスハーブティーカモミール・ラベンダーなど副交感神経を刺激飲みすぎに注意

よくある質問(Q&A)

Q1:市販のマウスピースでも大丈夫ですか?

→ 軽度の症状なら可能ですが、長期的な使用は歯並びや噛み合わせに影響する恐れもあるため歯科相談が推奨されます

Q2:歯ぎしりは治るの?

→ ストレス軽減や生活習慣改善により**「なくす」のではなく「軽減する」ことは十分可能**です。


まとめ|歯と睡眠、どちらも守るセルフケアを

項目内容
原因ストレス、噛み合わせ、睡眠の質、習慣など
対策ナイトガード、入浴、マッサージ、注意メモ
放置リスク顎関節症、虫歯、睡眠障害、慢性痛など
医療連携歯科・睡眠外来・心療内科などと連携可能

歯ぎしりや食いしばりは、「寝ている間のクセ」では済まされない重大な問題にも発展しかねません。
だからこそ、今日からできるセルフケアで、体と心をやさしくほぐす睡眠環境を整えてみましょう。


参考文献・出典

  1. 日本歯科医師会「ブラキシズムに関するガイドライン」
  2. 厚生労働省「睡眠と健康に関する調査報告」
  3. 日本睡眠学会「睡眠時無意識行動の分類」
  4. 東京医科歯科大学「咬筋過活動と歯の摩耗」
  5. 日本顎関節学会「顎関節症とブラキシズムの関連性」
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