位牌・過去帳・遺影・仏具はどうする?仏壇じまいで迷う品物ごとの扱い

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ごんぞう
ごんぞう

仏壇じまいで、いちばん「これ、どうしたらいいの?」と手が止まるのが、位牌や過去帳、遺影写真といった「周辺の品物」です。仏壇本体は、処分の方法を調べればなんとかなっても、気持ちがこもった品ほど迷いますよね。品物ごとに、考え方と、確認先を整理しました。

仏壇の中や周りには、位牌、過去帳、ご本尊、遺影写真、仏具など、さまざまな品物があります。これらの扱いには、宗派やお寺によって考え方が異なるものと、自治体のルールや法律に関わるものが混ざっています。この記事では、一般に紹介されている考え方と、確認が必要な点を、品物ごとに整理しました。宗派がわからない方は宗派の調べ方を、仏壇じまい全体の流れは仏壇じまいとは?をご覧ください。

作成日:2026-10-04
更新日:2026-10-04

品物ごとの扱いの早見表

まず、全体像です。「誰に確認するか」の欄を中心に、見てください。

品物一般に紹介されている考え方主に誰に確認するか
位牌仏壇と一緒に、法要を経て手放す例が多い。浄土真宗では位牌を用いない菩提寺
過去帳・法名軸先祖の記録として扱われ、処分する前にお寺に確認する例がある菩提寺
ご本尊(掛け軸・仏像)お寺ごとに、扱いが異なる菩提寺
遺影写真公式サイトなどで、一律の扱いは確認できていない。保管・データ化・処分は、ご家族の判断になることが多いご家族・親族(必要に応じて菩提寺)
仏具(りん、香炉、燭台など)仏壇と一緒に検討する。素材によって、自治体のごみの分別が変わる菩提寺・お住まいの自治体

位牌:宗派によって考え方が異なる

位牌は、亡くなった方の名前(戒名・法名など)や命日を記した木の札で、仏壇にお祀りされます。浄土宗の公式サイトでは、位牌には、葬儀などで使う白木の「仮位牌」と、仏壇にお祀りする「本位牌」がある、と説明されています。曹洞宗・天台宗・日蓮宗などの公式サイトにも、位牌を仏壇にお祀りする説明があります。

一方、浄土真宗の各派(本願寺派・真宗大谷派・東本願寺派)は、位牌を用いないと説明しています。代わりに、法名を記した「法名軸」や「過去帳」を用います(用い方は派によって異なります)。また浄土真宗東本願寺派(東京・浅草の東本願寺)のQ&Aには、葬儀で使う白木の位牌は一時的な仮のものとして、忌明けなどが終わったら、お寺に相談してお焚き上げしてもらう、という説明があります。

位牌を手放す場合、一般に紹介される主な選択肢は、次のとおりです。

選択肢ひとことで言うと
お寺での供養・お焚き上げ閉眼供養などを経て、お寺で供養・お焚き上げをしてもらう
永代供養・合祀古い代の位牌を、お寺に託して供養を続けてもらう
手元に残す直近の代の位牌だけを手元に残す(小さな仏壇や、位牌のまとめ方を相談する場合も)

どの選択肢が向いているかは、位牌の数や代、ご家族の気持ち、お寺の対応によって変わります。まず菩提寺に、「位牌が複数ある」「仏壇を手放したい」と事情を伝え、選択肢を聞いてみてください。

過去帳・法名軸

過去帳は、亡くなった方の法名(戒名)、俗名、亡くなった年月日などを書き記す帳面です。浄土真宗では、位牌を用いない代わりに、過去帳や法名軸に記録します。過去帳は、天台宗や日蓮宗の公式サイトにも使用の説明があり、浄土真宗だけのものではありません。「古い帳面だから」と手放す前に、記録の保存方法と宗教上の扱いを、ご家族や菩提寺に確認する方法があります。

過去帳や位牌には、ご先祖さまの名前や命日が記録されています。仏壇じまいのあとに、親戚から「うちの先祖のことを知りたい」と聞かれることもあります。手放す前に、写真に撮るなどして、記録だけ残しておく方法もあります。

ご本尊・遺影写真・仏具

ご本尊(掛け軸・仏像)

ご本尊は、仏壇の中心にお祀りする仏さまです。日蓮宗の公式Q&Aには、仏壇やご本尊、位牌、過去帳などを奉安するときは、菩提寺に開眼法要を依頼する、という説明があります。手放すときの扱いは、お寺ごとに異なるため、仏壇本体と同じ感覚で処分せず、お寺に相談するのが一般的とされています。

遺影写真

遺影写真の扱いについて、公式サイトなどで一律に示されている情報は確認できませんでした。枚数が多く、すべては保管しきれないという相談もあるため、状態の良いものを数枚だけ現物で残し、残りはスキャンしてデータで保存する、という進め方をするご家庭もあるようです。気持ちの区切りとして、拝んでもらいたい場合は、お寺に相談してみてください。

仏具(りん・香炉・燭台・花立など)

仏具一式は、仏壇本体とあわせて検討します。金属製・木製など素材によって、自治体のごみの分別区分が変わる場合があるため、お住まいの自治体のルールも確認しておくとスムーズです。まだ使える状態のものは、仏壇店で、新しい仏壇に買い替えるときに、下取りしてもらえる場合もあるようです。

お焚き上げ:自分で燃やしても大丈夫?

位牌や仏壇などを「お焚き上げ」で手放したい、と考える方は多いと思います。お寺で供養・お焚き上げを行ってもらう方法がある一方、ご自宅の庭などで、自分で燃やしてよいかは、法律との関係を確認する必要があります。

お焚き上げをしたい ごみの野外焼却は、法律で原則禁止 自宅の庭での焼却が例外に当たるかは、自治体に確認 お寺に相談 供養・お焚き上げを お願いできるか確認 (受付品・方法はお寺ごと) 自治体に確認 ごみとしての出し方 焼却の可否 (廃棄物担当の窓口) 回収業者を使う 市区町村の許可・委託の 有無を確認 見積もりは複数で比較

図:お焚き上げをしたいときの考え方

4コマ漫画:ごみの野外焼却は法律で原則禁止、個人の庭でのお焚き上げが例外に当てはまるかは確認が必要、とごんぞうが伝える
ごんぞうの4コマ解説:庭で燃やす前に、法律の確認が必要です

廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)の第16条の2は、「何人も」、定められた方法による場合などを除いて、廃棄物を焼却してはならない、と定めています。例外として、政令で定める焼却には、「風俗慣習上又は宗教上の行事を行うために必要な廃棄物の焼却」や、「たき火その他日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であって軽微なもの」などが含まれています。

ただし、環境省が公開している法改正の施行通知は、風俗慣習上又は宗教上の行事の例として、「どんと焼き等の地域の行事における不要となった門松、しめ縄等の焼却」を挙げています。個人が庭で仏壇や位牌を燃やすことが、この例外に当たるかどうかは、これらの資料だけでは判断できません。煙や臭いで近隣に迷惑がかかるおそれもあります。燃やす前に、お住まいの自治体の廃棄物担当窓口に、確認してください。お寺でのお焚き上げは、受け付ける品物や費用、方法がお寺ごとに異なるため、そちらにも事前に確認が必要です。

ここが間違えやすいので注意!

「木製だから」「供養のためだから」という理由だけで、自宅で燃やしてよいとは言い切れません。また、「お焚き上げ」を謳う不用品回収サービスの中には、トラブルが報告されているものもあります。国民生活センターは、2022年11月の発表で、不用品回収サービスに関する相談が増加し、2021年度には2,000件を超えたと報告しています(仏壇に限らない、不用品回収全般の相談です)。特定の業者・専門家へのご紹介や送客は行っておりません。依頼先は、料金体系や、市区町村の許可・委託の有無などを確認し、複数の見積もりを比べて、ご自身で選んでください。

残す・小さくする、という選択

仏壇じまいは、「すべてを手放す」だけではありません。仏壇本体は手放しても、直近の代の位牌だけを手元に残す、小さな仏壇や仏具に買い替えて、日々のお参りを続ける、といった選択もあります。何を残して、何を手放すかに、決まったルールはありません。ご家族やお寺と相談しながら、無理のない形を選んでください。手放す方法の選択肢は仏壇じまいとは?で、進める順番は仏壇じまいの進め方チェックリストで整理しています。

よくある質問

Q. 位牌を仏壇と同じ日に、一緒に供養してもらえますか?

仏壇と位牌を、同じ機会にお寺に見てもらう例が多いようですが、対応はお寺ごとに異なります。浄土真宗のように、位牌を用いない宗派もあるため、まず菩提寺に「仏壇と位牌がある」ことを伝え、進め方を確認してください。

Q. 位牌が何代分もあり、すべては手元に置けません。

古い代の位牌を、お寺に託して合祀・永代供養とし、直近の代の位牌だけを手元に残す、という選択をするご家庭があります。お寺によって、受け付ける内容や費用が異なるため、事前に相談してください。

Q. 遺影写真はお焚き上げしてもらえますか?

遺影写真のお焚き上げについて、公式サイトなどで一律に確認できた情報はありません。仏壇・位牌の取り扱いから、遺影も受け付けると決めつけず、お寺に確認してください。

Q. 菩提寺がない場合は、誰に聞けばいいですか?

お墓の管理者や親族に、お付き合いのあるお寺を確認する方法があります。それでもわからない場合は、近隣の寺院に事情を伝えて相談する方法もあります。詳しくは宗派の調べ方の「菩提寺がわからないとき」をご覧ください。特定の業者・専門家へのご紹介や送客は行っておりません。


出典

  1. 浄土宗「よくあるご質問(お仏壇・お位牌)」https://jodo.or.jp/tips/butsudan
  2. 浄土真宗東本願寺派(東京・浅草の東本願寺)「よくある質問」(位牌を用いないこと、白木位牌の扱い、法名軸・過去帳)https://www.honganji.or.jp/docs/jodoshinshu/qa.shtml
  3. 真宗大谷派(京都の東本願寺)「お仏壇(お内仏)のこと」(位牌を用いないこと)https://www.higashihonganji.or.jp/teachings/butsudan/
  4. 浄土真宗本願寺派(西本願寺)「よくあるご質問」(位牌を用いないこと、過去帳)https://www.hongwanji.or.jp/faq/list.html
  5. 曹洞宗「お仏壇のまつり方」https://www.sotozen-net.or.jp/ceremony/memorial/obutsudan
  6. 天台宗「Q&A(お仏壇)」https://www.tendai.or.jp/qa/07.html
  7. 日蓮宗「仏教・仏事のQ&A(仏壇)」https://www.nichiren.or.jp/qa/butsudan/
  8. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第16条の2、同法施行令 第14条(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137
  9. 環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の一部を改正する法律の施行について」(焼却禁止の例外)https://www.env.go.jp/hourei/11/000398.html
  10. 独立行政法人国民生活センター「増加する『不用品回収サービス』のトラブル」(2022年11月2日)https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20221102_1.html
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