実家の宗派がわからないときの調べ方|仏壇・位牌・お墓から手がかりを探す

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ごんぞう
ごんぞう

仏壇じまいを調べ始めると、すぐに「ご自身の宗派は?」という話になります。でも、宗派を聞かれて、すぐに答えられる方ばかりではないと思います。この記事は、「わからない」という方の目線で、できるだけやさしく書きました。

仏壇じまいでは、閉眼供養(いわゆる魂抜き)の考え方や、位牌・過去帳の扱いが、宗派によって異なる場合があります。そのため、お寺に相談する前に「自分の家の宗派」がわかっていると、話がスムーズに進みやすくなります。一方で、宗派を調べる決まった方法はなく、仏壇の中身、位牌、お墓の文字などの「手がかり」を重ねて、最後はお寺などに確認するのが基本です。この記事では、その手がかりの探し方を、できるだけ平易に整理しました。仏壇じまい全体の流れは仏壇じまいとは?閉眼供養・処分方法・注意点をご覧ください。

作成日:2026-10-04
更新日:2026-10-04

結論:手がかりを重ねて、最後は確認する

先に結論です。宗派は、ひとつの手がかりだけで「確定」させようとしないことが大切です。たとえば仏壇の中に阿弥陀如来(阿弥陀さま)が祀られていても、それだけでは浄土宗か浄土真宗かを決められません。複数の宗派で、同じ仏さまをお祀りすることがあるためです。そこで、次の3ステップで考えると整理しやすくなります。

ステップ1 身近な手がかりを 集める 仏壇・位牌・お墓・書類 親族の話 ステップ2 手がかりを 重ねて見る 1つだけで決めない ステップ3 お寺などに 確認する 菩提寺・墓地の管理者

図:宗派を調べる3ステップ

4コマ漫画:仏壇のご本尊だけでは宗派は決められない、手がかりを重ねて見ようとごんぞうが長男に伝える
ごんぞうの4コマ解説:手がかりは、重ねて見るのがコツです

宗派を探す手がかりの一覧

次の表は、宗派を探すときの代表的な手がかりと、「どこまでわかるか」をまとめたものです。宗派の公式サイトなどでは、「この方法で宗派が確定する」という形の説明は確認できませんでした。そのため、下の表は、各宗派の公式資料に書かれた特徴を、探す手がかりとして整理したものです。「ヒント」と書いたものは、それだけで宗派を決めないでください。

手がかり見るところどこまでわかるか
菩提寺・お墓の管理者お墓のある寺院名、霊園の管理事務所、お寺からの案内お寺に直接確認できる。もっとも確かな確認先ですが、「寺の宗派」と「家としての宗派」のつながりまで、お寺に確認します
仏壇の中のご本尊・脇の掛け軸中央にまつられている仏さま・文字ヒント。複数の宗派で同じ仏さまを祀ることがあります(後述)
位牌・過去帳の名前「釋○○」「釋尼○○」などの名前ヒント。浄土真宗の法名の形のひとつです(後述)
位牌があるか、ないか仏壇に位牌があるか、過去帳や法名軸があるかヒント。位牌を用いないのは浄土真宗の特徴ですが、「位牌がある家は浄土真宗ではない」とも言い切れません
お墓の文字墓石の正面や側面の言葉ヒント(後述)
お寺からの郵便・法要のお知らせ差出人の寺院名、封筒、年忌のお知らせ寺院名がわかれば、確認先になります
親族への確認お寺の名前、過去の法事のこと、お墓の場所聞き取りの手がかり。記憶だけで決めず、ほかの手がかりと重ねます
葬儀のときの書類会葬礼状、葬儀の案内状など書類によっては、お世話になった寺院名が書かれている場合があります

ここが間違えやすいので注意!

「お墓があるお寺の宗派=家の宗派」と決めつけないでください。お墓の管理者の宗派と、利用している家の宗派が、必ずしも一致するとは限らないためです。たとえば高野山真言宗の総本山・金剛峯寺は、奥之院への納骨について「宗旨や宗派を問いません」としています(宗派を問わず納骨を受け付ける寺院もあります)。お寺や墓地の管理者に、「家の宗旨・宗派」と「お付き合いの経緯」を、あわせて確認するのが確実です。

仏壇の中を見る:ご本尊の宗派別の違い

仏壇の中央(上段)には、「ご本尊」と呼ばれる、中心となる仏さまをお祀りします。宗派によって、お祀りする仏さまが異なることがあるため、宗派を探す手がかりのひとつになります。次の表は、各宗派の公式サイトで確認できた内容です。

宗派公式サイトなどで確認できた内容
浄土宗お仏壇は「阿弥陀さまやご先祖さまをお祀りする場所」と説明されています
浄土真宗(本願寺派)阿弥陀仏の絵像、または「南無阿弥陀仏」の六字名号を、ご本尊とします
浄土真宗(真宗大谷派)阿弥陀如来がご本尊です。家庭用のご本尊の案内では、絵像をお掛けするとされています
曹洞宗「お仏壇の中心はお釈迦さま」と説明されています
臨済宗・黄檗宗釈迦牟尼仏(お釈迦さま)が一般的。ただし観世音菩薩や阿弥陀如来などをお祀りしても構わない、とされています
真言宗(豊山派)真言宗のご本尊は大日如来。ただし「真言宗寺院のご本尊はさまざま」とも説明されています
天台宗「本尊」を柔軟に考え、お祀りする仏さまについては菩提寺に相談するとよい、と説明されています
日蓮宗紙の上に文字で書かれた「大曼荼羅(だいまんだら)」をご本尊とする、と説明されています

この表からわかるとおり、阿弥陀さまは、浄土宗・浄土真宗のほか、臨済宗などでもお祀りされる場合があります。また「天台宗はこの仏さま」「臨済宗はこの仏さま」のように、ひとつに決められない宗派もあります。さらに、お寺の本堂の本尊と、家庭の仏壇にお祀りする仏さまは、区別して考える必要があります。仏壇の中の様子は、手がかりとして写真に撮っておくと、お寺に相談するときに役立ちます。

位牌・過去帳・名前から探す

位牌や過去帳に書かれた、亡くなった方の名前も、手がかりになります。ただし、名前の呼び方は宗派によって異なります。

宗派名前の呼び方(公式サイトなどの説明)
浄土真宗(本願寺派・真宗大谷派)「法名(ほうみょう)」。本願寺派は「戒名という言い方はしません」と説明しています。真宗大谷派は、「釋○○」「釋尼○○」を法名と説明しています
浄土宗位牌には「法名(いわゆる戒名)」を記すと説明されています
日蓮宗「法号(ほうごう)」を用います(日蓮宗の資料には、法号を「戒名」と併記する表現もあります)
天台宗・曹洞宗など「戒名(かいみょう)」(天台宗の公式Q&Aには「法名や戒名」という表現もあります)

名前に「釋(しゃく)」の字が入っている場合は、浄土真宗の法名を探す手がかりになります。ただし、「法名」という言葉を使うのは浄土真宗だけではありません(浄土宗の公式サイトにも「法名(いわゆる戒名)」という表現があります)。名前だけで現在の宗派まで確定させず、ほかの手がかりと合わせて見てください。

位牌の有無も、手がかりのひとつです。浄土真宗の各派(本願寺派・真宗大谷派・東本願寺派)は、いずれも公式サイトで「位牌は用いない」と説明しています。代わりに、法名を記した「法名軸」や「過去帳」を用います(用い方は派によって異なります)。一方、浄土宗・曹洞宗・臨済宗・天台宗・日蓮宗の公式サイトには、仏壇に位牌をお祀りする説明があります。ただし、地域や個々のお寺の考え方によって、実際の様子には幅があります。仏壇の中に位牌がなく、過去帳や法名軸がある場合は、「浄土真宗の可能性」を考えるヒントになります。

なお、「東本願寺」という名前のお寺は、京都(真宗大谷派)と東京・浅草(浄土真宗東本願寺派)にあり、別の団体です。お寺の名前に「東本願寺」とあるだけで、どちらかを決めつけず、お寺に確認してください。

お墓の文字から探す

お墓の正面には、「○○家之墓」のように家名を彫る例が多い一方、宗派によっては、独特の言葉を彫ることがあります。真宗大谷派の案内では、浄土真宗では「南無阿弥陀仏」や「倶会一処(くえいっしょ)」と彫る、と説明されています。また日蓮宗では、お題目である「南無妙法蓮華経」が、中心となる言葉です。これらの言葉がお墓に彫られている場合、浄土真宗や日蓮宗の手がかりになることがあります。ただし、特定の宗派だけが使う文字とは言い切れないため、あくまでヒントとして扱い、お寺や墓地の管理者に確認してください。

それでもわからないとき、菩提寺がわからないとき

手がかりを集めても、宗派や菩提寺がはっきりしないことは珍しくありません。そのときは、次のような順に、確認先を広げていく方法があります。

  • お墓がある場合:墓地や霊園の管理者(寺院、管理事務所など)に、お墓の名義と、お付き合いのあるお寺を確認する
  • 親族がいる場合:お寺の名前、法事を頼んだ経緯、お墓の場所を聞く
  • 手元の書類:お寺からの郵便、法要の案内、葬儀の案内状などに、寺院名が書かれていないか探す
  • お墓も菩提寺もない場合:仏壇の写真(中の仏さま、位牌、掛け軸)を撮り、近隣の寺院に「仏壇じまいを考えているが、宗派がわからない」と事情を伝えて相談する

依頼先を選ぶときの注意

お寺との付き合いがない場合に、葬儀社や仏壇店などが僧侶の手配を仲介していることもあります。特定の業者・専門家へのご紹介や送客は行っておりません。依頼先は、料金体系や内容を比べたうえで、ご自身で選んでください。不審な点があれば、契約前にお住まいの自治体の消費生活センターに相談する方法もあります。

宗派がわかったら、次にすること

宗派(または菩提寺)の目星がついたら、仏壇じまいの具体的な話に進みます。次の記事で、続きを整理しています。

ごんぞう
ごんぞう

宗派がわからないのは、決して恥ずかしいことではありません。わからないまま、無理に決めてしまうより、手がかりをメモして、写真に撮って、お寺や親族に確認する。この流れで十分だと思います。

よくある質問

Q. 仏壇の中に阿弥陀如来がいれば、浄土真宗でしょうか?

そうとは限りません。阿弥陀さまは、浄土宗・浄土真宗のほか、臨済宗などでも、お祀りされる場合があります。位牌の有無、名前の形、お墓の文字などもあわせて見て、最後はお寺などに確認してください。

Q. 位牌がない仏壇は、浄土真宗なのでしょうか?

浄土真宗では位牌を用いませんが、位牌がないことだけで、浄土真宗と決めることはできません。位牌をあまり置かない家庭もあります。過去帳や法名軸があるかなど、ほかの手がかりもあわせて確認してください。

Q. 無宗教(特定の宗派がない)の家の場合は、どうなりますか?

仏壇があっても、家として特定の宗派と深い付き合いがない場合もあります。その場合は、宗派を決める必要はなく、仏壇じまいの相談先(お寺など)に、事情をそのまま伝える方法があります。お寺ごとに考え方や対応が異なるため、受付の可否や費用は、直接ご確認ください。特定の業者・専門家へのご紹介や送客は行っておりません。

Q. 宗派がわからないまま、仏壇じまいを進めてもいいですか?

仏壇じまいに、法律上の決まりや期限はありません。ただ、閉眼供養などの考え方や呼び方は宗派やお寺によって異なるため、先にお寺へ相談する方法が一般に紹介されています。まず仏壇の写真をまとめ、親族に心当たりを聞いてみるところから始められます。


出典

  1. 浄土真宗本願寺派(西本願寺)「よくあるご質問」(位牌を用いないこと、法名、過去帳)https://www.hongwanji.or.jp/faq/list.html
  2. 浄土真宗東本願寺派(東京・浅草の東本願寺)「よくある質問」(位牌を用いないこと、法名軸・過去帳)https://www.honganji.or.jp/docs/jodoshinshu/qa.shtml
  3. 真宗大谷派(京都の東本願寺)「お仏壇(お内仏)のこと」(位牌を用いないこと)https://www.higashihonganji.or.jp/teachings/butsudan/
  4. 真宗大谷派(東本願寺)「葬儀・法事・お墓のこと」(法名と戒名、墓碑の文字)https://www.higashihonganji.or.jp/teachings/sogi-hoji-ohaka/
  5. 真宗大谷派(東本願寺)「ご本尊をお迎えする」https://www.higashihonganji.or.jp/application/gohonzon/
  6. 浄土宗「よくあるご質問(お仏壇)」https://jodo.or.jp/tips/butsudan
  7. 曹洞宗「お仏壇のまつり方」https://www.sotozen-net.or.jp/ceremony/memorial/obutsudan
  8. 臨済宗・黄檗宗「臨黄ネット FAQ」https://rinnou.net/faq/
  9. 真言宗豊山派「真言宗の教え」https://www.buzan.or.jp/shingonshu_buzan/oshie/
  10. 天台宗「Q&A(お仏壇)」https://www.tendai.or.jp/qa/07.html
  11. 日蓮宗「仏教・仏事のQ&A(仏壇)」https://www.nichiren.or.jp/qa/butsudan/
  12. 日蓮宗「お題目とは」https://www.nichiren.or.jp/buddhism/nichiren/07.php
  13. 高野山真言宗 総本山金剛峯寺「お問い合わせ(Q&A)」(納骨は宗旨や宗派を問わない)https://www.koyasan.or.jp/contact/
  14. 日蓮宗 現代宗教研究所「葬儀を考える─法号について」https://genshu.nichiren.or.jp/publications/post-2996/id-3314/
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