車中避難のリアル|災害時に車で避難する際の注意点と持ち物リスト
災害が起きたとき、
「避難所は混んでそう」「ペットや家族に配慮したい」「プライバシーが気になる」
そんな理由から、**自家用車で避難生活を送る“車中避難”**を選ぶ人が増えています。
特に、近年のコロナ禍以降、避難所の“密”を避けて車で過ごす人が急増。
実際、2024年の能登半島地震や台風災害でも、駐車場にとどまる選択肢が広く見られました。
しかし、車中避難にはエコノミークラス症候群・寒さ・トイレ問題・燃料切れといった、特有のリスクも。
本記事では、車中避難の実際のリスクと安全に過ごすための対策、持ち物リストまで、徹底解説します。

<この記事を書いた人>
シャア
学生時代から防災や災害対策に強い関心を持ち、20年以上にわたり情報を収集・整理。防災訓練のボランティア経験や、災害時の避難準備を日常的に実践してきた「防災オタク」。最新の防災グッズや自治体の防災計画まで幅広く研究し、実生活に役立つ防災知識をわかりやすく伝えています。
そもそも「車中避難」とは?そのメリットと注意点
● 車中避難の定義
災害発生後、自宅が損壊していない、もしくは避難所が使えない・不安な状況において、自家用車を一時的な避難スペースとして使うこと。
● メリット
| 内容 | 説明 |
|---|---|
| プライバシーの確保 | 着替えや休息がしやすく、家族だけの空間が保てる |
| ペット・持病の配慮がしやすい | 避難所に入りづらいケースにも対応可能 |
| 気候の調整ができる | エアコン・暖房が使える(燃料の限界あり) |
| 場所を選べる | 混雑回避や自宅周辺での様子見が可能 |
● デメリット・注意点
- エコノミークラス症候群のリスク
- トイレや食事、ゴミの管理が難しい
- 周囲の安全確保や情報の確保が不十分になりがち
- 燃料切れ・電力不足が命取りになる可能性
どんな人に「車中避難」が向いている?
- 小さな子ども連れで避難所の騒音や衛生環境に不安がある人
- ペットを連れて避難したい人
- 要配慮者(持病・障がいなど)がいて避難所生活が難しい人
- 「避難所に入れなかった」「家の状況が不安」など一時避難先が必要な人
車中避難時に必要な持ち物リスト(保存版)
● 基本セット
| カテゴリ | 持ち物 |
|---|---|
| 水 | 飲料水(1人1日3L目安)、ウェットティッシュ |
| 食料 | レトルト食品、非常食、簡易調理器具 |
| 着替え・タオル | 靴下・下着含む3日分+汗拭きシート |
| トイレ用品 | 簡易トイレ、消臭袋、トイレットペーパー |
| 寝具 | 車中用マット・毛布・ネックピロー・カイロ |
| 情報源 | スマホ+モバイルバッテリー、ラジオ(電池式) |
| 医薬品 | 常備薬、消毒液、マスク、絆創膏、頭痛薬など |
| 防犯・照明 | 小型ランタン、防犯ブザー、目隠しシート |
命に関わる「エコノミークラス症候群」とは?
● なぜ車中避難で起きやすいのか?
- 狭い座席で長時間同じ姿勢
- 水分摂取を控えてトイレを我慢
- 睡眠中に脚を曲げたままになる
これらの要因が血流を悪化させ、血栓ができて肺に詰まる「肺塞栓症」=エコノミークラス症候群を引き起こします。
最悪の場合、突然死に至ることもある非常に危険な状態です。
● 対策と予防方法
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 2時間に1回は体を動かす | 車外での軽いストレッチ・足踏みなどを心がける |
| 睡眠はできるだけフラットな姿勢で | 座席を倒す・足を伸ばすスペースを確保 |
| 水分補給をこまめに | トイレを我慢しすぎず、体を潤す意識が必要 |
| 弾性ストッキング・着圧ソックスを使う | 足のむくみ防止と血流促進に効果的 |
就寝時の注意点|快眠と安全を両立させる工夫
- シートを限界まで倒す or フラットにできる寝具を使用
- ネックピロー+腰当てクッションで姿勢サポート
- 断熱サンシェードやカーテンでプライバシー&温度管理
- 夏場は窓の少し開放+防虫ネットで通気を確保
- 冬場は電源不要の寝袋やカイロ活用(一酸化炭素中毒に注意)
停車場所の選び方と注意点|安全と迷惑防止のバランス
● 安全な場所の条件
| 条件 | 説明 |
|---|---|
| 高台・河川から離れている | 洪水・津波・氾濫リスクを避ける |
| 土砂崩れ危険区域外 | 山際・崖沿いの停車は厳禁 |
| コンビニ・道の駅など施設利用者用駐車場 | トイレが使える・人の目がある・照明がある |
| 避難所に併設された駐車スペース | 公認の避難先として安心(要事前確認) |
● 避けるべき場所
- 高速道路の非常駐車帯やインター周辺
- 私有地や無許可の商業施設駐車場
- 暗く人通りがない山奥など
「防災仕様」にしておきたい車内レイアウト例
● 荷室の防災備蓄ゾーン
- 折りたたみコンテナに「防寒グッズ」「食品」「水」「トイレセット」を分類収納
- 使用頻度が高いものは手前、奥には予備用品
● 運転席まわり
- モバイルバッテリー・ラジオ・情報用紙(避難所リスト・家族連絡先)を集約
- 災害時にすぐアクセスできる位置に置いておく
● 車内シェルター化の工夫
- サンシェードで目隠し+断熱効果
- ヨガマットやマットレスで床を平らに
- 衣類や毛布を詰めて座席隙間を調整 → 簡易ベッド化
子ども・高齢者・女性がいる場合の注意点
● 子ども連れ
- おむつ・ミルク・おもちゃ・絵本を常備
- チャイルドシートでの長時間はNG → 定期的に身体を伸ばす
● 高齢者
- 薬・医療機器(吸引・インスリンなど)を常時携帯
- 就寝時の寒暖差対策を重視(体温低下が命取りに)
● 女性
- 着替え・生理用品・防犯対策グッズ(携帯ブザー・目隠し布など)を必ず用意
- 夜間は照明・人目・安全な停車場所を確保
実際の被災者の声に学ぶ「車中避難のリアル」
● 能登半島地震(2024年)・石川県七尾市・60代男性
「避難所が満杯で車に泊まった。思ったより寒くて寝られず、後悔した。毛布3枚では足りなかった」
● 熊本地震(2016年)・30代主婦
「小さな子どもが2人いたので、車中避難にした。ミルクとおむつを余分に準備していて助かった」
● 台風19号(2019年)・東京都・40代女性
「トイレが一番困った。簡易トイレは備えておくべき。近くのコンビニも断水で使えなかった」
まとめ|車中避難は「安全と健康のバランス」が命を守る
車中避難は自由度が高く、多くのメリットがあります。
しかし、誤った方法では命を危険にさらす可能性もある選択肢です。
- 必ず「数日分の備え」と「体調管理の工夫」を持って選ぶ
- 安易に長期間車内で過ごさず、できれば数日以内に別の選択肢を検討
- 家族構成・体調・季節・場所に応じてカスタマイズされた車中避難計画を準備しておく
今この瞬間から、愛車を**“走るシェルター”にする備えを始めましょう。
それが、いざというときに「助かる側」に立つための最も確実な一歩**です。