実家じまいにかかる費用まとめ|相続・解体・遺品整理・お墓の目安をひとつの記事で整理

gonzo
ごんぞう
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実家じまいで一番気になるのは、やっぱり「結局いくらかかるの?」だと思います。当サイトの各記事に散らばっていた費用の情報を、この1本にまとめました。

実家じまいの費用は、1つの手続きにまとまった料金表があるわけではなく、相続・登記・解体・遺品整理・お墓など、性質の異なる複数の費用が積み重なっていくため、全体像がとても分かりにくくなっています。この記事では、実家じまいで発生しうる費用を項目ごとに整理し、公表されている目安をまとめました。金額は個々の状況(面積・地域・業者・財産額等)によって大きく変動するため、あくまで「規模感をつかむための目安」としてご覧ください。

作成日:2026-08-17
更新日:2026-09-10

まず全体像:かかる費用と、戻ってくる・軽減されるお金

実家じまいのお金の話は、「支出する費用」と「税制上、戻ってくる・軽減されるお金」の2種類に分けて考えると整理しやすくなります。

分類主な項目
支出する費用登記費用、相続税、解体費用、測量費用、遺品整理費用、お墓関連の費用
戻る・軽減されるお金空き家の3,000万円特別控除、解体・改修の補助金、(該当すれば)未支給年金・高額療養費等

① 相続手続きにかかる費用

相続登記の費用(登録免許税+司法書士報酬)

相続登記では、法務局に納める登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)が必ず発生します。たとえば評価額2,000万円の不動産であれば、登録免許税は8万円です。これに加えて、司法書士に依頼する場合は報酬が発生します。日本司法書士会連合会が実施した報酬アンケート(令和6年3月、標準的な事例:土地1筆・建物1棟、評価額合計1,000万円、法定相続人3名)では、平均報酬額は74,888円という結果が公表されています。

司法書士に依頼せず自分で手続きする場合は、登録免許税と戸籍謄本等の取得費用(数千円程度)のみで済みますが、平日に法務局へ行く時間や書類作成の手間がかかります。

項目目安
登録免許税固定資産税評価額 × 0.4%
司法書士報酬(依頼する場合)平均7〜8万円程度(日本司法書士会連合会調査より)
戸籍謄本等の取得費用数千円程度

出典:日本司法書士会連合会「報酬アンケート結果」(令和6年3月)

相続税

相続税は、遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合にのみ発生します。国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」によると、実際に申告が必要になったのは亡くなった方全体の約10.4%で、税理士に依頼せず自分で概算したい場合は、当サイトの相続税かんたん計算ツールをご利用ください。

境界確定測量の費用(必要な場合)

土地の境界が不明確で、売却等のために境界を確定させる必要がある場合、境界確定測量に40万〜50万円程度かかるとされています(隣接地の数や立会いの状況により変動)。境界確定を伴わない簡易な「現況測量」であれば、10万〜20万円程度が目安とされています。この費用は相続登記そのものには不要で、売却時や境界トラブルの解消が必要な場合に発生するものです。

② 実家(建物・土地)にかかる費用

解体費用

木造住宅の解体費用は、坪単価3万〜5万円程度が目安とされています。建物の規模(延床面積・階数)によって総額は変わるため、間取りのイメージと合わせて目安を整理しました。

建物の目安延床面積の目安木造解体費用の目安
2LDK程度(平屋または小規模な戸建て)20坪程度約80万〜100万円
3〜4LDK程度(一般的な2階建て)30坪程度約90万〜150万円
4〜5LDK程度(やや大きめの2階建て)40坪程度約120万〜200万円
5LDK以上(大きめの2階建て)50坪程度約150万〜250万円

坪数と間取り(LDK)の対応関係は建物によって幅があるため、あくまで目安としてご覧ください。また、同じ延床面積でも、平屋より2階建てのほうが足場・養生シートの設置費用がかさみ、坪単価がやや高くなる傾向があるとされています。構造(木造か鉄骨・RC造か)、立地(重機の搬入しやすさ)、付帯工事(庭木の伐採・ブロック塀の撤去等)の有無によっても総額は変動します。自治体によっては解体費用の補助金があり、上限20万〜100万円程度の自治体が多い傾向にあります。詳しくは解体・改修の補助金ガイドをご覧ください。

そのままにしておく場合のランニングコスト

売る・貸す・解体のいずれも決めず「そのまま」にしている間も、固定資産税・都市計画税は毎年発生し続けます。空き家のまま火災保険を継続する場合は保険料も必要です。詳しくは実家はまだそのまま。でも気になっているをご覧ください。

③ 遺品整理・清掃にかかる費用

遺品整理業者に依頼する場合の費用は、間取りに応じて大きく変わります。複数の業界サイトが公表している目安は次のとおりです。

間取りの目安費用の目安
2DK程度約9万円〜
2LDK程度約12万円〜30万円
3LDK程度(戸建て)約17万円〜50万円
4LDK程度(戸建て)約22万円〜70万円

これらはあくまで業界サイトが公表している一般的な目安であり、荷物の量・地域・依頼する業者によって大きく変動します。当サイトでは特定の遺品整理業者のご紹介は行っておりません。すべて自分たちで片付ける「自力整理」であれば業者費用はかかりませんが、粗大ゴミの処分費用や、時間・体力の負担が発生します。

④ お墓・仏壇にかかる費用

墓じまい(改葬)に関わる費用は、主に「墓石の撤去・処分費用」と、寺院とのやり取りに関する慣習的な費用(離檀料・閉眼供養のお布施等)に分かれます。

ここが間違えやすいので注意!

離檀料や閉眼供養のお布施には、法律上決まった金額はなく、寺院との関係性によって大きく異なります。当サイトでは、こうした慣習的な金額について具体的な相場は提示していません。個別の金額については、菩提寺や行政書士等の専門家にご相談ください。墓石の撤去・処分費用については、墓地の広さ・立地・重機の搬入可否等により変動するため、複数の石材店から見積もりを取ることが一般的とされています。

詳しい手続きの流れは墓じまいとは?改葬許可の手続きと寺院とのやり取りを整理、永代供養との違いは永代供養とは?墓じまいした後の遺骨はどこへ、仏壇の処分方法・閉眼供養の考え方は仏壇のしまい方(仏壇じまい)とは?をご覧ください。

⑤ 戻ってくる・軽減されるお金

費用ばかりではなく、条件を満たせば負担を軽減できる制度もあります。

  • 空き家の3,000万円特別控除:一定の要件を満たす相続空き家を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除(詳細ガイド
  • 解体・改修の補助金:自治体によって上限20万〜100万円程度(詳細ガイド
  • 空き家バンクの登録:多くの自治体で登録・検索は無料(詳細ガイド
  • 未支給年金・高額療養費:該当すれば、それぞれ5年・2年以内に請求可能(チェックリスト

全体の費用目安(まとめ表)

項目費用の目安必須かどうか
相続登記(司法書士報酬+登録免許税+実費)10万〜30万円程度+評価額×0.4%義務(3年以内)
相続税基礎控除超過分に応じて変動(該当は約10人に1人)該当する場合のみ
境界確定測量10万〜50万円程度必要な場合のみ
解体費用90万〜150万円程度(木造30坪目安)解体する場合のみ
遺品整理9万〜70万円程度(間取りによる)業者に依頼する場合のみ
墓じまい(墓石撤去等)個別見積もりが必要墓じまいする場合のみ

すべてを合計すると、状況によっては総額で100万円を大きく超えるケースも珍しくありません。ただし、解体しない・遺品整理を自分たちで行う・墓じまいをしない、といった選択肢を取れば、費用は大きく圧縮できます。何を選ぶかによって総額が変わる、という点が実家じまいの費用の特徴です。

モデルケース別に見る費用シミュレーション

「結局、自分の場合はいくらになりそうか」をイメージしやすいように、何を選ぶかによって費用がどう変わるか、4つのモデルケースで組み合わせてみました。いずれも、ここまでに紹介した各項目の目安を積み上げた概算であり、実際の金額を保証するものではありません。

0 100万円 200万円 300万円 ケース① 約11万〜13万円 ケース② 約101万〜163万円 ケース③ 約28万〜63万円 ケース④ 約123万〜233万円

図:4つのモデルケースの費用目安(棒の長さは上限額の目安に対応)

ケース① 相続登記だけ済ませ、実家はしばらくそのまま

解体も遺品整理業者への依頼もせず、まずは義務である相続登記だけを終わらせるケースです。評価額1,000万円程度の不動産を想定しています。

項目金額の目安
登録免許税(評価額1,000万円×0.4%)約4万円
司法書士報酬約7万〜8万円
戸籍謄本等の実費約5千円

合計目安:約11万〜13万円(このほか、そのままにしておく間の固定資産税が毎年発生します)

ケース② 相続登記+解体して更地にする(木造2階建て・4LDK・延床30坪程度)

老朽化が進んでいるため、解体して更地にするケースです。木造2階建て・4LDK程度・延床30坪程度という、一般的な戸建てを想定しています。

項目金額の目安
相続登記費用(ケース①と同様)約11万〜13万円
解体費用(木造2階建て・4LDK・30坪程度)約90万〜150万円

これがもし2LDK程度・延床20坪程度の小さめの平屋であれば解体費用は約80万〜100万円(合計目安:約91万〜113万円)、5LDK程度・延床50坪程度の大きめの2階建てであれば解体費用は約150万〜250万円(合計目安:約161万〜263万円)に変わります。建物の規模が費用を大きく左右することが分かります。

合計目安:約101万〜163万円(自治体の解体補助金が使えれば、ここから20万〜100万円程度軽減される可能性があります)

ケース③ 相続登記+遺品整理を業者に依頼し、空き家バンクで賃貸・売却を目指す

解体はせず、家財だけ片付けて、空き家バンクに登録するケースです(3LDK程度の戸建てを想定)。

項目金額の目安
相続登記費用(ケース①と同様)約11万〜13万円
遺品整理業者への依頼(3LDK程度)約17万〜50万円
空き家バンクへの登録無料(自治体による)

合計目安:約28万〜63万円

ケース④ 相続登記+解体+遺品整理+墓じまいも同時に進める(木造2階建て・4LDK・延床30坪程度、フルコース)

実家の整理とお墓の整理を同時に進める、最も規模の大きいケースです。ケース②と同じ木造2階建て・4LDK程度・延床30坪程度の家を想定しています。

項目金額の目安
相続登記費用(ケース①と同様)約11万〜13万円
解体費用(木造2階建て・4LDK・30坪程度)約90万〜150万円
遺品整理業者への依頼(4LDK程度)約22万〜70万円

合計目安(墓じまい・相続税を除く):約123万〜233万円

これに加えて、墓じまいの費用(墓石撤去・離檀料等、個別見積もりが必要)と、該当する場合は相続税が別途発生します。この2つは金額の幅が非常に大きく一律の目安を示せないため、上記の合計には含めていません。

ここが間違えやすいので注意!

4つのモデルケースは、あくまで当サイトが各項目の目安を積み上げて試算した参考例であり、実在する特定の物件やご家庭の金額を示すものではありません。不動産の評価額・立地・面積・地域によって金額は大きく変動します。正確な費用は、司法書士・解体業者・遺品整理業者等に個別に見積もりを依頼して確認してください。

よくある質問

Q. 費用を抑えるためにできることはありますか?

相続登記を自分で申請する、遺品整理を家族で行う、解体前に自治体の補助金の有無を確認する、複数の業者から見積もりを取る、といった一般的な方法があります。ただし、時間や労力とのトレードオフになるため、ご自身の状況に応じて判断してください。

Q. 費用を払うお金がない場合はどうすればいいですか?

相続財産の中に預貯金があれば、遺産分割前でも一定額を払い戻せる「預貯金の仮払い制度」を利用できる場合があります。また、相続放棄をすれば債務(借金)を引き継がずに済みますが、プラスの財産も同時に手放すことになります。個別の状況については、司法書士や弁護士等の専門家にご相談ください。

Q. この記事の金額は、必ずこの通りになりますか?

いいえ、あくまで目安です。地域・物件の状態・依頼する業者・財産の内容によって金額は大きく変わります。正確な費用を知りたい場合は、各分野の専門家(司法書士・税理士・解体業者・遺品整理業者・石材店等)に個別に見積もりを依頼することをおすすめします。当サイトは特定の業者・専門家へのご紹介や送客は行っておりません。

まとめ

実家じまいの費用は、相続・不動産・遺品整理・お墓と、性質の異なる支出が積み重なるため分かりにくいものですが、1つずつ分解してみると、それぞれの金額の根拠が見えてきます。すべてを一度に用意する必要はなく、「必須のもの(登記費用等)」と「選択次第で発生するもの(解体・遺品整理業者費用等)」を分けて考えることで、見通しを立てやすくなります。詳しい手続きの期限は実家じまいの手続き、期限が近い順に一覧、実家じまい全体の流れは実家じまいとは?もあわせてご覧ください。


出典

  1. 日本司法書士会連合会「報酬アンケート結果」(令和6年3月)
  2. 国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/sozoku_shinkoku/pdf/sozoku_shinkoku.pdf
  3. 登録免許税法(相続による所有権移転登記の税率)
  4. 境界確定測量・遺品整理の費用相場は、複数の不動産関連事業者・遺品整理関連事業者が公表している情報を基に、当サイトで目安として整理
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