準確定申告とは?相続人が行う所得税の手続き、期限は4ヶ月

相続税の申告期限(10ヶ月)はよく知られていますが、実はその前に、もっと短い期限の申告が必要になることがあります。「準確定申告」という手続きです。
親が亡くなったあと、相続税の心配をする前に、「準確定申告」という所得税の手続きが必要になる場合があります。相続税の申告期限(10ヶ月)より短い期限が設定されているため、見落としやすいポイントです。この記事では、準確定申告の基本を整理します。
最終確認日:2026-08-30
準確定申告とは
国税庁の説明によると、準確定申告とは、年の途中で死亡した人について、1月1日から死亡した日までの所得金額と税額を計算し、相続人が代わりに申告・納税する手続きです。通常の確定申告が「翌年の2月16日〜3月15日」に行うのに対し、準確定申告は死亡した年について、相続人が期限内に申告する必要があります。
申告期限は「4ヶ月以内」
準確定申告の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内です。相続税の申告期限(10ヶ月以内)よりもかなり短いため、「相続税の手続きはまだ先」と考えていると、準確定申告の期限だけ先に過ぎてしまうことがあります。
| 手続き | 期限の目安 |
|---|---|
| 準確定申告(所得税) | 相続の開始を知った日の翌日から4ヶ月以内 |
| 相続税の申告・納税 | 相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内 |
相続人が複数いる場合の提出方法
相続人が複数いる場合、準確定申告書は相続人全員が連署して1通の申告書を提出するのが基本です。ただし、他の相続人の氏名を付記したうえで、各相続人が別々に申告書を提出することも認められています。この場合、申告書を提出した相続人は、その内容を他の相続人に通知しなければならないとされています。
医療費控除の対象になる範囲に注意
準確定申告でも医療費控除を受けられますが、対象になるのは死亡日までに被相続人本人が支払った医療費です。死亡後に相続人が支払った医療費(未払いだった入院費等)は、被相続人の準確定申告における医療費控除の対象にはなりません。
ここが間違えやすいので注意!
死亡後に相続人が支払った被相続人の医療費は、被相続人の準確定申告ではなく、支払った相続人自身の医療費控除の対象になりうるとされています。誰の、どの年の申告で控除できるかは複雑になりやすいため、金額が大きい場合は税理士に確認することをおすすめします。
そもそも準確定申告が必要なのはどんな人?
亡くなった方全員に準確定申告が必要なわけではありません。一般的には、次のようなケースで必要になりやすいとされています。
- 個人事業(自営業)を営んでいた場合
- 不動産所得(賃貸収入など)があった場合
- 給与所得が2,000万円を超えていた場合や、給与以外の所得が一定額を超えていた場合
- 公的年金等の収入が一定額を超え、かつ他の所得があった場合
- 年の途中まで給与所得者で、年末調整を受けずに死亡した場合
逆に、給与所得者で、勤務先の年末調整の対象範囲内で完結していたようなケースでは、準確定申告が不要になることもあります。必要かどうかの判断が難しい場合は、税務署または税理士に確認することをおすすめします。
実家じまいとの関わり
実家じまいの手続きは相続登記や相続税に注目が集まりがちですが、親が個人事業主だった場合や、実家以外に賃貸不動産を所有していた場合は、準確定申告の期限(4ヶ月)が最初に来る手続きになることがあります。「相続税はまだ先」と後回しにせず、親の所得の状況を早めに確認しておくことをおすすめします。相続税の申告そのものについては相続税の申告書は自分で作れる?、手続き全体のスケジュールは実家じまいの手続き、期限が近い順に一覧もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 準確定申告をしなかった場合、どうなりますか?
本来納めるべき税額があるのに申告をしなかった場合、通常の確定申告と同様に、無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。申告が必要かどうか判断がつかない場合は、早めに税務署または税理士に相談することをおすすめします。
Q. 準確定申告で税金が戻ってくることもありますか?
源泉徴収されていた税額が多かった場合など、還付を受けられるケースもあります(還付申告)。還付申告の場合、義務としての4ヶ月以内という期限に加えて、還付を受けるための請求期限も別途定められているため、詳しくは国税庁の情報でご確認ください。
まとめ
準確定申告は、相続税より先に期限(4ヶ月)が来る、見落とされやすい手続きです。親が事業を営んでいた、賃貸不動産を持っていた等の事情がある場合は、早めに必要性を確認しておきましょう。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.2022「納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm