地震時のペット対策|同行避難の注意点と準備リストまとめ
大きな地震が発生したとき、自分の命とともに守りたい存在——それが家族の一員であるペットです。
しかし、実際に災害が起きたとき、
「避難所に連れて行っていいのか?」
「フードやトイレの備えは十分か?」
「怖がって逃げてしまわないか?」
こうした不安を抱える飼い主さんは少なくありません。
本記事では、ペットとの同行避難を成功させるための備え・行動・心構えを、実体験と行政のガイドラインをもとに詳しく解説します。
犬・猫を中心に、小動物にも応用できる内容となっており、今日からできる実践的な対策が満載です。

<この記事を書いた人>
シャア
学生時代から防災や災害対策に強い関心を持ち、20年以上にわたり情報を収集・整理。防災訓練のボランティア経験や、災害時の避難準備を日常的に実践してきた「防災オタク」。最新の防災グッズや自治体の防災計画まで幅広く研究し、実生活に役立つ防災知識をわかりやすく伝えています。
同行避難とは?「一緒に避難する」ことの意味
「同行避難」とは、災害時に飼い主とペットが一緒に避難所へ向かうことを指します。
ただし、同行=「避難所の屋内に一緒に滞在できる」とは限らず、屋外や別スペースでの飼育管理が求められるケースがほとんどです。
■ 国や自治体の指針
- **環境省「ペットの災害対策ガイドライン」**では、原則「同行避難」を推奨。
- 自治体によって対応の温度差があり、受け入れ体制・ルールが異なる。
- 事前に「避難先がペット受け入れ可かどうか」を確認することが非常に重要。
地震時、ペットに起きる3つのリスク
- パニック状態で逃げ出す・暴れる
→ 家屋倒壊時や揺れのショックで興奮・脱走・攻撃行動が出ることも。 - 怪我・閉じ込め・迷子になる
→ 室内ケージが倒壊、窓やドアの破損により逃走・負傷のリスク。 - 避難所生活によるストレス・体調悪化
→ 環境の変化・他の動物との距離・鳴き声問題などで飼育困難に。
ペットとの避難に必要な「3日分の備え」
地震後、物資が届くまでの「最低72時間」を乗り切るため、ペット専用の防災セットが不可欠です。
■ 基本の備蓄リスト(犬・猫共通)
| アイテム | 必要量の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| フード(ドライ・ウェット) | 3日分以上 | 食べ慣れた銘柄を備蓄 |
| 飲料水 | 500ml × 3日 × 頭数 | 人用と分けて管理 |
| 食器(折りたたみ式推奨) | 1セット | 持ち運びやすさ重視 |
| トイレ用品(猫砂・シーツ) | 各3日分 | 消臭タイプが◎ |
| ゴミ袋・防臭袋 | 5〜10枚 | 衛生・臭い対策に |
| リード・ハーネス | 2セット | 予備もあると安心 |
| ケージ・キャリー | 1頭に1個 | 固定できるタイプが望ましい |
| タオル・毛布 | 数枚 | 保温・目隠し・洗い替え用 |
| おもちゃ・おやつ | 各1種以上 | 精神安定のため |
| ワクチン証明書・鑑札コピー | 1部 | 緊急時の身分証明に |
避難所でのペット管理の現実|事前に知っておくべきこと
● 屋外または専用スペースでの飼育が基本
- 同行避難=同室滞在ではないことに注意
- 「一時預かり」や「ペット不可」の避難所も存在
● 他の動物・飼い主とのトラブルも
- 吠える・鳴く・臭いが原因で苦情が出ることも
- 飼育スペースは衛生・安全確保が自己責任
● 飼い主の行動・マナーが重要
- 排泄処理・餌やり・掃除はすべて自己管理
- 飼い主が日常からしつけやケアを行っているかが問われる
日常からのしつけ・健康管理が同行避難のカギ
避難所でスムーズにペットと生活するためには、普段からのしつけと健康管理がとても重要です。
● 必要なしつけ項目
| しつけ内容 | 理由・効果 |
|---|---|
| キャリー・ケージに慣れさせる | 避難中の移動・隔離にストレスを与えない |
| 吠えない・鳴き続けない訓練 | 周囲とのトラブルを避ける |
| 排泄の場所を覚えさせる | トイレ管理がしやすくなる |
| 知らない人に慣れさせる | 避難所の他人・動物に対する攻撃性抑制 |
● 定期的な健康チェックも忘れずに
- ワクチン接種は最新の状態に
- ノミ・ダニ・フィラリアなどの予防薬を継続
- ペット保険やかかりつけ動物病院の連絡先の携帯も有効
ペットのための「非常持ち出しバッグ」中身チェックリスト
家族の防災リュックとは別に、ペット専用の非常持ち出し袋を用意しましょう。
■ 中身の一例
| アイテム | 推奨数・備考 |
|---|---|
| 折りたたみ式ソフトキャリー | 肩掛けタイプが移動に便利 |
| リード+ハーネス(ダブルリード可) | 脱走防止策として二重にする人も |
| 使い慣れたフード(個包装または小分け) | 小分けジップロックなどに分ける |
| 飲料水(500ml)+折りたたみボウル | 人間用とは分けて管理 |
| ペット用ウエットティッシュ・消毒綿 | 汚れ・排泄の処理用 |
| 常備薬・動物病院の連絡先 | 特に持病持ちの子は必須 |
| ストレス対策グッズ(おもちゃ・毛布など) | 安心感を与えるためのにおい付き布も有効 |
| ワクチン・鑑札・マイクロチップ番号のコピー | 避難所で求められる場合あり |
| 排泄用品(ペットシーツ・ビニール袋) | 衛生維持とにおい対策に必須 |
災害前に準備しておくべき5つの行動
- ✅ 自治体の避難所がペット受け入れ可能かを調べておく
→ 各自治体のホームページや地域防災計画で確認可能。 - ✅ マイクロチップ・鑑札・迷子札の装着確認
→ 万が一離れたときの再会率が大幅にアップ。 - ✅ ペット用防災セットの定期的な見直し
→ フードや薬の賞味・使用期限に注意。 - ✅ 避難ルートを確認し、実際に歩いてみる
→ 地震で通行不可になる箇所も想定。 - ✅ 周囲(家族・近所)とペットの避難について共有
→ 飼い主が不在時に代理で避難できるよう連絡体制を整備。
多頭飼育・高齢ペット・障がいのあるペットの場合は?
● 多頭飼育
- ケージの数が足りない、フードの消費が多い、鳴き声が重なるなどの問題が発生しやすい。
- 避難先によっては「1世帯につき1頭のみ」などの制限も。
● 高齢・障がいペット
- 移動時に体調を崩しやすいため、特にケアが重要。
- 日常から「環境の変化」に少しずつ慣れさせておく訓練が必要。
被災経験者の声に学ぶ|ペットと避難したリアルな体験談
● 熊本地震(2016年)・犬と避難した30代女性
「犬が地震の直後にパニックを起こして脱走。マイクロチップを入れていたおかげで、保健所から連絡が来て再会できました」
● 東日本大震災(2011年)・猫2匹を連れた60代夫婦
「避難所ではケージが狭くて、ずっと鳴いていた。猫が落ち着くために、日頃からケージで過ごす時間を作っておくべきだったと痛感」
● 西日本豪雨(2018年)・小動物(ウサギ)と避難
「ペット同伴OKと書かれていたが、実際は屋外のテントだった。日陰や断熱マットなどでの暑さ対策が必要だった」
まとめ|「ペットは家族」だからこそ命を守る備えを
ペットは、言葉を話せません。
自分で避難することも、助けを求めることもできません。
だからこそ、飼い主であるあなたの準備と行動がすべてです。
- フードや水、トイレ用品などの備蓄
- キャリーやリードに慣れさせる訓練
- 避難所のルールや行政情報の事前確認
- 家族・ご近所との協力体制の構築
日々の暮らしの延長に、少しだけ“災害への想像力”を加えるだけで、
ペットの命と心を守る力が大きく変わります。
「うちの子は大丈夫」ではなく、「もしもの時、守れる準備があるか」を。
その問いかけを、今日から始めてみてください。