令和8年度税制改正、相続・贈与はどう変わった?

毎年年末に決まる「税制改正大綱」、令和8年度分では相続・贈与まわりにも変更がありました。実家じまいに関わりそうな部分をピックアップします。
相続税・贈与税の制度は、税制改正によって毎年少しずつ変わります。令和8年度の税制改正では、相続・贈与に関わるいくつかの見直しが行われました。この記事では、実家じまいに関係しそうな主な変更点を整理します。
最終確認日:2026-08-31
教育資金の一括贈与の非課税措置、延長せず終了
祖父母などの直系尊属から子・孫へ教育資金をまとめて贈与した場合に贈与税が非課税になる特例について、令和8年度税制改正の大綱には次のように明記されています。
「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、適用期限(令和8年3月31日)を延長しない」
つまり、令和8年3月31日をもって、この非課税措置は終了することになります。実家の相続そのものとは直接関係しませんが、教育資金贈与を相続対策の一環として検討していた家庭には影響があります。利用を考えている場合は、期限内に金融機関等での手続きが必要になるため、早めの確認をおすすめします。
この制度は2013年(平成25年)に、祖父母世代が持つ資産を子・孫の教育資金として早期に移転させることを目的に始まりました。受贈者1人あたり1,500万円(学校等以外への支払いは500万円が上限)まで、金融機関に専用口座を開設して拠出した資金を非課税で贈与できる仕組みで、当初は数年間の時限措置として導入されたものが、これまで複数回にわたり延長されてきた制度です。今回、令和8年3月31日の期限をもって延長しないことが決まった形になります。
貸付用不動産の評価方法も見直しの対象に
相続税・贈与税に関しては、教育資金贈与の非課税措置終了に加えて、相続開始・贈与前5年以内に取得または新築した一定の貸付用不動産の評価方法を見直す改正が行われたと、複数の税理士法人・専門メディアが報じています。近年、不動産を使って相続税評価額を圧縮する対策(いわゆる「タワーマンション節税」等)への規制強化が段階的に進められてきた流れの延長にある改正とみられます。
ここが間違えやすいので注意!
この貸付用不動産の評価見直しについて、当サイトが財務省「令和8年度税制改正の大綱」の概要版から直接確認できたのは教育資金贈与の項目のみで、貸付用不動産の評価見直しに関する具体的な計算方法(評価割合等)は、大綱の詳細部分や今後の国税庁通達等で示される想定です。実家や相続財産に賃貸不動産が含まれる場合、正確な評価方法は税理士に個別に確認することをおすすめします。
相続・贈与に関するその他の改正は?
税制改正大綱は多岐にわたる項目を含む大部の文書のため、当サイトで一次情報から直接確認できたのは上記の項目です。他にも相続・贈与に関わる細かな改正が行われている可能性がありますが、正確な内容は税理士または財務省・国税庁の最新情報でご確認いただくことをおすすめします。

税制改正の内容は年によって変わり、細部の解釈も専門的なので、この記事はあくまで概要の整理にとどめています。実際に相続税額に影響しそうな場合は、税理士に最新の内容を確認することをおすすめします。
実家じまいとの関わり
税制改正の多くは、不動産を使った積極的な節税策への規制強化という方向性が続いています。実家そのものを相続するだけであれば大きな影響は少ないケースが多いですが、相続財産の評価や特例の適用条件は毎年変わりうるという前提で、実際の申告時には最新の情報を確認することをおすすめします。基礎控除の基本的な仕組みは用語集で、税額の概算は相続税かんたん計算ツールで確認できます。
よくある質問
Q. 実家の相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)自体は変わりましたか?
当サイトで確認できた範囲では、令和8年度税制改正の大綱に基礎控除額そのものの見直しに関する記載は見当たりませんでした。ただし、当サイトが確認したのは大綱の一部であり、税制改正大綱全体を網羅的に確認したものではありません。正確なところは税理士または財務省・国税庁の最新情報でご確認ください。
Q. 空き家の3,000万円特別控除への影響はありますか?
令和8年度税制改正の主な内容には、空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除に関する大きな変更は確認できませんでした。適用要件や期限については、既存の制度が継続しているかどうか、税理士または国税庁の最新情報でご確認ください。
Q. 教育資金の一括贈与を、令和8年3月31日までに駆け込みで使うことはできますか?
制度上は期限内であれば新規の拠出も可能とされていますが、駆け込みでの利用が家庭の資産計画・他の相続対策との兼ね合いで本当に適切かどうかは、個別の事情によって異なります。利用を検討する場合は、早めに金融機関または税理士に相談することをおすすめします。
まとめ
税制改正は毎年行われるため、「去年聞いた話」が今年もそのまま通用するとは限りません。実際に相続税の申告が必要になりそうな場合は、その時点での最新の制度を税理士に確認することをおすすめします。
出典
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月26日閣議決定)https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/08taikou_gaiyou.htm
- 貸付用不動産の評価見直しに関する内容は、大綱の公表を受けた複数の税理士法人・専門メディアの報道を参考に当サイトで整理(詳細な計算方法は今後の通達等で確定予定)