実家じまいの手続き、期限が近い順に一覧

実家じまいに関わる手続きは、「相続登記」「税金」「補助金」など制度別に整理されがちですが、今回は視点を変えて、期限が近い順に横断的にまとめてみました!どれから手をつければいいか迷ったときの目安にしてください。
相続や実家じまいに関わる手続きには、それぞれ別々の法律・制度に基づく期限が定められています。このページでは、当サイトの各記事で紹介している期限を、制度別ではなく「期限が近い順」に並べ直しました。実際にどの手続きが必要かは家庭の状況によって異なるため、詳細は各記事、または司法書士・税理士等の専門家にご確認ください。
作成日:2026-08-12
更新日:2026-09-10
相続発生から日数で決まる期限(近い順)
まずは、相続が発生した日(または、それを知った日)を起点に、経過日数で期限が決まるものです。
図:日数で決まる期限を時系列で見る
| 期限 | 手続き | 根拠 | 窓口 |
|---|---|---|---|
| 7日以内 | 死亡届の提出 | 戸籍法86条 | 市区町村役場 |
| 14日以内(目安) | 年金受給停止、健康保険資格喪失届、世帯主変更届、介護保険の手続き | 各制度の規定 | 年金事務所/市区町村役場 |
| 3ヶ月以内 | 相続放棄・限定承認の検討 | 民法915条 | 家庭裁判所 |
| 4ヶ月以内 | 準確定申告(故人の所得税の申告) | 国税庁 No.2022 | 税務署 |
| 10ヶ月以内 | 相続税の申告・納税(該当する場合) | 国税庁 No.4205 | 税務署 |
| 3年以内 | 相続登記の申請(義務、正当な理由なく過ぎると過料の対象) | 法務省「相続登記の申請義務化について」 | 法務局 |
| 3年を経過する日の属する年の12月31日まで | 空き家の3,000万円特別控除を使う場合の売却期限(個々のケース) | 国税庁 No.3306 | 税務署 |
| 3年10か月以内 | 取得費加算の特例を使う場合の売却期限 | 相続税法(取得費加算の特例) | 税務署 |
| 10年以内 | 特別受益・寄与分を主張して法定相続分と異なる分割を求める場合の期限 | 令和5年4月1日施行の民法改正 | ー(遺産分割協議・家庭裁判所) |
「令和9年(2027年)」が期限になっているもの
上記とは別に、相続の発生時期に関わらず「令和9年(2027年)」という特定の年が期限になっている経過措置・特例もあります。制度が始まった時期の関係で、こちらは「知った日から○年」ではなく、暦上の期日で区切られている点に注意が必要です。
| 期限 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 令和9年3月31日まで | 相続登記の経過措置(施行日より前に「知った日」がある場合の登記期限) | 法務省「相続登記の申請義務化について」 |
| 令和9年3月31日まで | 登録免許税の免税措置(土地の評価額が100万円以下の場合) | 法務局「相続登記の登録免許税の免税措置について」 |
| 令和9年12月31日まで | 空き家の3,000万円特別控除の制度自体の適用期間(この日までの売却が対象) | 国税庁 No.3306 |

「相続登記は3年以内」という原則と、「令和9年3月31日まで」という経過措置は、実は別のルールです!すでに相続が発生していて、まだ登記していない場合は、原則の3年と経過措置の令和9年3月31日のうち、遅い方が期限になります。自分がどちらに当てはまるかは、相続登記の義務化とは?で詳しく整理しています。
各手続きの詳しい内容
それぞれの手続きの詳しい要件・流れ・必要書類は、以下の記事にまとめています。
- 親が亡くなった直後にやることチェックリスト(死亡届〜相続登記までの流れ)
- 相続登記の義務化とは?(期限・過料・登録免許税・経過措置)
- 相続人が複数いる場合、実家はどうなる?(遺産分割・特別受益・寄与分の期限)
- 空き家の3,000万円特別控除ガイド(売却時の期限・取得費加算の特例との違い)
期限を過ぎるとどうなるか(主なもの)
| 手続き | 期限を過ぎた場合 |
|---|---|
| 相続放棄・限定承認 | 原則として単純承認(プラスもマイナスも含めてすべて相続)したものとみなされる |
| 相続登記 | 正当な理由がない場合、10万円以下の過料の対象になりうる |
| 特別受益・寄与分の主張 | 原則として法定相続分での分割になる |
| 空き家の3,000万円特別控除 | 期限後の売却は、この特例による控除を受けられない |
出典:民法915条、国税庁 No.2022・No.4205・No.3306、法務省「相続登記の申請義務化について」「相続登記の申請義務化に関するQ&A」
実家じまいとの関わり
実家じまいは、相続登記・税金・空き家の活用など、複数の制度が同時並行で関わってきます。どれか一つだけを見ていると、気づかないうちに他の期限が近づいていることもあります。まずはこのページで全体の期限感をつかんだうえで、それぞれの記事で詳細を確認していただくと進めやすいかと思います。

期限が近いからといって、あせって判断する必要はありません。ただ、「そもそも何の期限があるのか知らなかった」という状態は避けやすくなると思います。個別の状況に応じた判断は、司法書士・税理士等の専門家にご相談くださいね。
よくある質問
Q. どの手続きから始めればいいですか?
一般的には、期限が近いものから確認していく流れが現実的です。ただし、相続放棄を検討している場合は、他の手続きより先に判断が必要になることがあるため、負債の有無が気になる場合は特に早めの検討をおすすめします。詳細は司法書士・弁護士等にご確認ください。
Q. すべての期限に共通する「正当な理由による猶予」はありますか?
制度によって扱いが異なります。たとえば相続登記の過料には「正当な理由」があれば対象外になる仕組みがありますが、相続放棄の3ヶ月という期間については、家庭裁判所に申し立てて期間の伸長が認められる場合があるなど、制度ごとに個別の対応方法が定められています。詳細はそれぞれの記事、または専門家にご確認ください。
出典
- 民法915条・900条・901条
- 戸籍法86条
- 国税庁 No.2022「納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm
- 国税庁 No.4205「相続税の申告と納税」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm
- 国税庁 No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
- 法務省「相続登記の申請義務化について」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
- 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html