空き家活用

特定空家等への指導・勧告・命令、累計41,476件に|国交省の集計から見る実態

gonzo
ごんぞう
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「特定空家」という言葉、ニュースで聞いたことがある方も多いと思います。実際に全国でどれくらいの件数、行政の措置が取られているのか、国土交通省の集計を整理しました。

空き家を放置していると「特定空家等」に指定され、行政による段階的な措置の対象になることがあります。国土交通省が公表している全国の実績を見ると、法施行から令和4年度末までの累計で41,476件の措置が行われています。この記事では、その内訳と、措置が進む流れを整理します。

最終確認日:2026-08-22

特定空家等とは

「特定空家等」は、空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)に基づき、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態、著しく衛生上有害となるおそれのある状態、著しく景観を損なっている状態等にあると市区町村が判断した空き家を指します。平成27年の法施行当初から設けられているカテゴリで、2023年の法改正で新設された「管理不全空家等」(特定空家になる一歩手前の状態)とは区別される、より重い段階の指定です。

管理不全空家等の実績については、当サイトの管理不全空家等の指導、1年半で3,211件にもあわせてご覧ください。

全国の措置件数(法施行〜令和4年度末の累計)

国土交通省が全国1,741市区町村を対象に行った調査によると、平成27年の法施行から令和4年度末までの累計で、次のような措置が講じられています。

措置の種類累計件数
助言・指導37,421件
勧告3,078件
命令382件
行政代執行180件
略式代執行415件
合計41,476件

出典:国土交通省「改正空家法 施行に向けた空き家対策の現在地」

件数を見ると、全体の9割以上が「助言・指導」の段階にとどまっており、強制力の強い代執行(行政代執行+略式代執行)は595件と、全体の1.4%程度にとどまっています。多くのケースは、所有者への呼びかけの段階で何らかの対応につながっていると考えられます。

措置が進む4つの段階

  1. 助言・指導:市区町村が所有者等に対し、状態の改善を助言・指導する段階
  2. 勧告:助言・指導で改善されない場合の措置。この段階で固定資産税の住宅用地特例が解除され、翌年度から税額が増えることがある
  3. 命令:勧告でも改善されない場合、期限を定めて必要な措置を命じる段階。命令に違反すると50万円以下の過料の対象になりうる
  4. 代執行(行政代執行・略式代執行):所有者が措置を履行しない場合等に、行政が代わって解体等を行う最終段階。かかった費用は原則として所有者に請求される

ここが間違えやすいので注意!

代執行が行われた場合、解体等にかかった費用は所有者(相続人)に請求されます。所有者が費用を支払わない場合は、行政が財産の差押え等の強制徴収の手続きに進むこともあります。「行政が代わりにやってくれるから安心」という制度ではない点に注意してください。

実家じまいとの関わり

実家を空き家のまま放置していると、いきなり代執行になるわけではありませんが、「助言・指導」の通知が来た時点で、既に行政に状態を把握されているということでもあります。早めに対応するほど選択肢は広く、費用面でも有利になりやすいと考えられます。解体・活用の判断材料は空き家、売る・貸す・解体で迷っている方へ、解体費用の補助制度は解体・改修の補助金ガイドもあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 特定空家等に指定されると、必ず固定資産税が上がりますか?

指定されただけでは変わらず、「勧告」の段階に進んだ時点で住宅用地の特例が解除され、翌年度から税額が上がる可能性があります。助言・指導の段階で改善すれば、勧告に進まずに済むケースもあります。

Q. 自分の実家が特定空家等に該当するか、事前に調べられますか?

特定空家等の認定は市区町村が個別に行うものであり、全国共通の判定ツールはありません。心当たりがある場合は、実家がある市区町村の空き家対策担当窓口に相談することをおすすめします。

まとめ

特定空家等への措置は、全国で累計4万件を超える規模で行われています。ほとんどは助言・指導の段階にとどまっていますが、放置すれば税負担や強制的な費用請求につながる可能性もあるため、早めの対応が望ましいといえます。


出典

  1. 国土交通省「改正空家法 施行に向けた空き家対策の現在地~空き家対策に取り組む全国の市区町村の状況について(令和5年3月31日時点調査)~」https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000177.html
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